連載 主治医の介入でこれだけ変わる! 内科疾患のリハビリテーション・16
疾患別リハビリ・運動療法の実際
脳血管障害
上月 正博
1,2
1公立大学法人山形県立保健医療大学
2東北大学
pp.2492-2498
発行日 2022年12月10日
Published Date 2022/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402228668
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脳血管障害は,わが国の死亡原因では悪性新生物,心疾患,老衰に次いで第4位を占める1).また,脳血管障害は,要介護となる原因では認知症に次いで第2位である2).脳血管障害は,脳梗塞,脳出血,くも膜下出血の3つに分類されるが,わが国では脳血管障害の約75%は脳梗塞である.脳硬塞は,ラクナ梗塞,アテローム血栓性脳梗塞,心原性脳塞栓症に分類される.
脳血管障害に対する急性期治療の進歩により死亡率は減少したが,後遺障害を伴う慢性期脳血管障害患者は増加しており,リハビリテーション(以下,リハビリ)治療の重要性が増している.特に医療機関の退院後に地域で行われる生活期(維持期)のリハビリは,地域包括ケアの観点からも今後一層必要になると予想され,本誌の読者が関与する機会が多くなると考えられる.そこで本稿では,脳血管障害に対する生活期のリハビリ・運動療法を解説する.
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