特集 その考えはもう古い!—最新・感染症診療
忘れられない感染症ミミック—得られた教訓
感染症ミミック①—組織浸潤をきたした副鼻腔疾患/繰り返す無菌性髄膜炎
清田 雅智
1
1飯塚病院総合診療科
キーワード:
鼻脳型ムコール症
,
IgG4関連疾患
,
Mollaret髄膜炎
,
家族性地中海熱
Keyword:
鼻脳型ムコール症
,
IgG4関連疾患
,
Mollaret髄膜炎
,
家族性地中海熱
pp.676-679
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402227598
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感染症はclinical syndromeという,病原体が引き起こす臨床像が診断にとって最も重要である.数多くのcommon diseaseを経験すると,個々の臨床医の頭には疾患のゲシュタルトと呼べる臨床像が形成される.やがてcommon disease rare presentationを経験することで,さらにそのゲシュタルトが確固としたものとなってゆく.しかし,感染症の扱う領域は多臓器に及び,さらに多くの病原体の理解の必要があるため,膨大な知識を要求され,実際にマスターというレベルにはなかなか至れないのが感染症診療の深みであろう.個人的には,臨床症状が2週間以上続くものであれば,感染症かどうかは少なくともある程度はわかるようになったつもりでいるが,それでも強く感染症の病状だと疑い続けて,結果異なったという2症例をここに提示したい.
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