特集 循環器診療2020—どこまで攻めて,どこから引くか?
予防医療
循環器予防医学の未来
河面 恭子
1
,
渡邉 至
1
,
宮本 恵宏
1
1国立循環器病研究センター予防医療部
キーワード:
デジタル医療
,
EHR
,
PHR
,
ワクチン
,
循環器予防医学
Keyword:
デジタル医療
,
EHR
,
PHR
,
ワクチン
,
循環器予防医学
pp.1662-1665
発行日 2020年9月10日
Published Date 2020/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402227167
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Point
◎現在の循環器疾患予防では,吹田スコアによる絶対リスク評価をベースに主要な危険因子(高血圧,糖尿病,脂質異常症,喫煙など)を包括的に管理することが推奨されている.
◎デジタル医療の進化やワクチンの開発などにより,未来の循環器疾患予防の戦略は劇的に変わる可能性がある.
◎総務省や厚生労働省を中心にデジタル医療の充実が検討されており,将来的には,主要な危険因子だけでなく各個人の背景要因も含め,EHR(electronic health record)・PHR(personal health record)に蓄積されているデータが人工知能により自動的に解析され,各個人に最適な治療や健康・介護サービスなどが提示されるようなシステムの構築が期待される.
◎近年,循環器疾患分野でも新規のワクチン開発が進められており,また,既存の感染症分野のワクチンの循環器疾患予防への有効性についても検討されている.臨床試験の段階に入っているものもあり,実用化が望まれる.
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