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第5土曜特集 心不全診療の未来戦略――ゲノム,AI,多臓器連関が拓く新時代
AIを活かした未来の心不全診療
AIとmHealthによる新しい心不全医療の可能性
Future of heart failure management through artificial intelligence and mHealth
野村 章洋
1,2
Akihiro NOMURA
1,2
1金沢大学融合研究域融合科学系
2同附属病院循環器内科
キーワード:
人工知能(AI)
,
mHealth(モバイルヘルス)
,
デジタル医療
Keyword:
人工知能(AI)
,
mHealth(モバイルヘルス)
,
デジタル医療
pp.858-862
発行日 2025年11月29日
Published Date 2025/11/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295090858
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超高齢社会の進展に伴い心不全患者は増加しており,増悪と寛解を繰り返すその臨床経過は,患者のQOLを著しく低下させるとともに医療経済をも圧迫する大きな課題である.この解決策として,AI(人工知能)とmHealth(モバイルヘルス)の活用が期待されている.AIは,深層学習(DL)などの技術を用いて心電図や心音図といった膨大な医療データから,人間の目では捉えきれない微細なパターンを抽出する.これにより,無症候段階での心機能低下のスクリーニングや将来の発症リスク予測を高い精度で可能にする.一方,スマートフォンやウェアラブルデバイスを用いるmHealthは,患者の日常生活における生体情報を継続的に収集・可視化する.これにより,心不全増悪の兆候を早期に検知し,タイムリーな介入や患者自身のセルフケア向上を支援する.これらAIとmHealthの融合は,心不全の診断と管理の両面で革新をもたらし,個々の患者に最適化された予防・先制医療の実現を後押しすることで,再入院の予防と予後の改善に大きく貢献することが期待される.

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