特集 みんなが知っておきたい透析診療—透析のキホンと患者の診かた
透析患者の診療
CKD-MBDの診かた,P吸着薬の使いかた
駒場 大峰
1,2
1東海大学医学部内科学系腎内分泌代謝内科
2東海大学総合医学研究所
pp.1432-1435
発行日 2019年8月10日
Published Date 2019/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402226444
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Point
◎慢性腎臓病(CKD)患者では,高リン(P)血症,活性型ビタミンD低下,二次性副甲状腺機能亢進症を背景に,骨病変や血管石灰化をきたす.このような病態を“慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常(CKD-MBD)”と呼ぶ.
◎透析でのP除去および食事でのP制限のみで高P血症を管理することは難しい.そのため,多くの症例でP吸着薬が必要となる.
◎P吸着薬は,薬剤の選択・用量調節に加え,患者の内服コンプライアンスも重要である.タイミングや飲み方を含めた患者指導を適切に行う.
◎二次性副甲状腺機能亢進症の治療は,活性型ビタミンD製剤とカルシウム(Ca)受容体作動薬が中心となる.ともに副甲状腺ホルモン(PTH)値を低下させるが,血清Ca・P値に及ぼす影響が異なる.
◎透析患者が合併症のため入院となった場合,P摂取の低下や長期臥床による脱灰により,それまでは安定していたCKD-MBDの病態が変化することがある.
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