特集 抗菌薬をアップデートせよ!—耐性菌に立ち向かう! 適正化の手法から新薬の使い分けまで
新薬の情報を正しくアップデートせよ! 新しい抗微生物薬とその使い分け
新しい抗MRSA薬:テジゾリドの特徴とその使い分け(MRSA治療を中心に)
大澤 良介
1
1亀田総合病院感染症科
pp.1122-1124
発行日 2019年6月10日
Published Date 2019/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402226365
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Point
◎テジゾリドは,グラム陽性菌に対して広く抗菌活性を示し,皮膚軟部組織感染症に有効なオキサゾリジノン系抗菌薬である.
◎テジゾリドはリネゾリドに比べて,選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)との併用によるセロトニン症候群が起きる可能性がほぼないこと,また1日1回の内服で済むことが利点であるが,長期使用の安全性に関するデータに乏しい.
◎テジゾリドの適応症であるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による皮膚軟部組織感染症では,経口のテジゾリドの代わりに,安価で昔から使われている経口抗菌薬であるクリンダマイシン,ST合剤,ドキシサイクリンやミノサイクリンを優先して使うべきである.
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.