書評
—百島祐貴・押尾晃一 訳—しっかり学べる! 最新MRIスタンダード
山田 雅之
1
1藤田医科大学医療科学部放射線学科
pp.521
発行日 2019年3月10日
Published Date 2019/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402226098
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私が診療放射線技師を目指して本邦初の技師養成大学教育に学んだのは,まもなく終わろうとしている平成の時代が始まった年のことである.そして,先見の明をもってその教育カリキュラムに開講された学科目『磁気共鳴論』は,MRIの基盤原理である核磁気共鳴現象やその医学応用であるMRI検査を体系的に学ぶ,わが国で初めての本格的な講義だったと記憶する.しかし,当時MRIという言葉すらまったく聞き覚えのない初学者の私たちが,網羅的に『磁気共鳴論』を学べる書籍はごくわずかであり,手に取る教科書は難解な物理学や量子力学の数式の記述から始まるとても敷居の高いものであった.
あれから30年,MRI装置は国内の医療施設に次々と設置され,今やMRI検査は誰もが一生に一度は受けうる一般的な画像検査となった.私は本書に目を通し,そのようなMRI検査に携わる全ての医療専門職,あるいは医療専門職を目指して全国の養成機関で学ぶ多くの学生にとって待望の書籍であると確信した.
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