特集 抗血栓療法のジレンマ—予防すべきは血栓か,出血か?
抗血小板薬の特性を理解する
アスピリンの適応と使用法
吾郷 哲朗
1
1九州大学大学院医学研究院病態機能内科学(第二内科)
pp.244-248
発行日 2019年2月10日
Published Date 2019/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402226034
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Point
◎アスピリンの最も良い適応は,粥状硬化を基盤とする疾患(冠動脈疾患,脳血管障害,下肢閉塞性動脈硬化症)に対する二次予防(急性期含む)である.
◎(特に脳血管障害に対する)一次予防目的でアスピリンを使用する場合には,適応を慎重に判断し,血圧を130/80mmHg未満にするなど生活習慣病の管理を厳格に行う.
◎高度の細小血管障害を有する症例は脳出血発症のリスクが低くはないため,抗血小板薬の適応と薬剤選択を慎重に検討し,生活習慣病の管理を厳格に行う.
◎抜歯など出血時の対応が容易な処置や消化管内視鏡治療の場合においては,原則としてアスピリンを中断しないように推奨されている.
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