今月の主題 血栓症と臨床検査
話題
アスピリン・クロピドグレルレジスタンス
小田 淳
1
Atsushi ODA
1
1北海道大学大学院医学研究科予防医学講座環境医学分野
キーワード:
P2Y12
,
大規模臨床試験
,
プラスグレル
,
COX-1
Keyword:
P2Y12
,
大規模臨床試験
,
プラスグレル
,
COX-1
pp.1186-1190
発行日 2009年10月15日
Published Date 2009/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102089
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1.緒言
アスピリン・クロピドグレルレジスタンス(抵抗性)は,研究者により定義が異なるものの,概ね,抗血小板薬であるアスピリンやクロピドグレルに対する反応性(=薬物の効果)に個人差が大きく(反応多様性),効果が少ない(=抵抗性を示す)患者もいるということである.両薬剤は,病的血栓症の2次予防において極めて大きな位置を世界的に占めている.そのうえ,両者に対する反応多様性を検出するためには,当然のことながら血小板機能検査が用いられる.ところが,周知のように,血小板機能検査の代表的な透光度(ないしは濁度)法の血小板凝集検査がそもそも標準化しがたい.他の検査も一長一短がある.したがって,この両薬物に対する抵抗性は,臨床検査学および血栓止血学上で世界的に最も大きな話題の一つである.本稿では,最新の諸報告に基づき,このホットな話題をわかりやすく解説したい.
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