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ベッドサイド 臨床医のための臨床薬理学マニュアル
アスピリン(Aspirin)
Acetylsallcylic acid
辻本 豪三
1
,
越前 宏俊
2
,
石崎 高志
2
1山梨医科大学・薬理学
2国立病院医療センター・臨床薬理学
pp.940-946
発行日 1985年5月10日
Published Date 1985/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219770
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現在,多くのサリチル酸(Salicylic acid)製剤が使用されているが,本稿では中でも特に頻用されているアスピリン(Aspirin)(Acetylsalicylic acid)を中心に述べる.アスピリンは今世紀初頭に,そのprodrugのサリチル酸の苦味,胃障害を克服する目的で合成された.すなわち,生体内で加水分解され,薬理学的に活性なサリチル酸に変化するよう設計,合成された.そのもくろみ通りに,アスピリンは服用されると肝臓で強力な加水分解を受け(いわゆる"first pass効果"により),速やかにサリチル酸となる.したがって,その血中濃度モニタリングはサリチル酸濃度によって行われる.本稿で取り上げるサリチル酸の血中濃度モニタリングは,アスピリンのみならず,他のサリチル酸製剤にも適応される.
アスピリンは,過去100年近く,鎮痛,解熱,また非ステロイド系消炎薬として,広く使用されてきているが,その至適投与が可能となったのは,薬物動態が明らかになった,つい最近のことである.
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