特集 内科医のためのクリニカル・パール3
消化器
上部・下部消化管のクリニカル・パール
大前 知也
1
1JR東京総合病院消化器内科
pp.1610-1612
発行日 2017年9月10日
Published Date 2017/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402225102
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
血便の患者を診たら─排便時出血を区別するのが第一歩!
血便は消化器内科医にとっては比較的多い主訴の1つであるが,消化器内科医以外の医師にとっては厄介なものであろう.その大きな理由は,内視鏡検査をしないと出血源や出血量がわからず,止血もできないという不安ではないかと思われる.「すぐに消化器内科医に相談しなくては!」と思う気持ちもわかるが,患者が「血便が出ました」と言って青ざめて診察室に入ってきても,その意味はさまざまである.血液だけが排出される本当の血便の場合もあれば,便の周りに血液が付着する,あるいは紙で拭いたときに血液がつく,というような排便時出血の場合もある.
そこで,まず排便時出血を区別するために,血便が主訴の患者にはもう一言問診してほしい.その一言は「血便は茶色の普通の便と一緒に出ましたか?」である.この質問をすると多くの患者は一瞬考えた後,次の2パターンのどちらかの返事をするはずである.
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.