特集 プライマリ・ケア医のための消化器症候学
全身症状
吃逆—「しゃっくりが止まりません」「呼吸が苦しくなります」
近藤 司
1
1藤田保健衛生大学救急総合内科学
pp.824-828
発行日 2017年5月10日
Published Date 2017/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402224913
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Point
◎吃逆は「横隔膜の痙攣」ではない.横隔膜の収縮と声門閉鎖が同期して発生する呼吸器系反射運動である.
◎反射弓は背側鼻咽頭の粘膜,舌咽神経咽頭枝,延髄疑核近傍網様体,横隔神経,反回神経からなる.
◎受容器から中枢にかけての,求心路のどの部位が刺激されても反射運動が生じるため,中枢神経系疾患の関与が稀ではない.
◎胃食道逆流症(GERD)による粘膜刺激が原因の場合は,投薬治療だけでなく,特に生活習慣是正の指導が大切である.
◎まったく関係なさそうな部位の悪性腫瘍が原因と考えられる症例があり,難治性吃逆症例では全身の検索が必要である.
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