連載 あたらしいリウマチ・膠原病診療の話・14
全身の痛み—リウマチ性多発筋痛症,脊椎関節炎,結晶性関節炎,線維筋痛症
萩野 昇
1
1帝京大学ちば総合医療センター 血液・リウマチ内科
pp.1644-1650
発行日 2016年9月10日
Published Date 2016/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402224382
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1.痛みを因数分解しよう!
問診票の主訴の欄(今日はどのようなことにお困りでご来院ですか?)に「全身が痛い」と書いてあった場合,あなたはどのように感じるだろうか.主訴から鑑別診断が挙がらず,その後の問診・身体診察の流れをイメージしづらい場合,内科医は問診票の記載に“不安を掻き立てられる”(少なくとも筆者の場合)ように思うので,以下のように簡略化したい.
全身の痛み=若者はパルボかDGI,高齢者はPMRか菌血症(occult bacteremia)
「パルボ」はパルボウイルスB19感染症,「DGI」は播種性淋菌感染症(disseminated gonococcus infection),そして「PMR」はリウマチ性多発筋痛症(polymyalgia rheumatica)を指す.
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