特集 抗血栓療法—おさえておきたい最新のエッセンス
血栓症の病態をみる
病理学的にみた血栓症
山下 篤
1
,
浅田 祐士郎
1
1宮崎大学医学部病理学講座構造機能病態学分野
pp.2296-2299
発行日 2015年12月10日
Published Date 2015/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223837
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ポイント
●動脈血栓症は主に動脈硬化巣の破綻に伴う血栓(アテローム血栓)の形成により発症する.
●アテローム血栓は血小板とともに多量のフィブリンを含み,それにはプラークに存在する組織因子(血液凝固の開始因子)が重要な役割を果たしている.
●静脈血栓の肉眼的に白色を呈する部は血小板とフィブリンに富み,赤色を呈する部は血小板とフィブリンの網状構造に赤血球が取り込まれた構築をしている.
●発症に至る静脈血栓はアテローム血栓と比べてはるかに大きく,血流のうっ滞や凝固能亢進など血栓の成長に関与する因子が重要である.
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