特集 外来で診るリンパ腫・骨髄腫—治癒または長期共存を目指して
骨髄腫診療の進歩
【病態】
多発性骨髄腫における染色体・遺伝子異常と予後
半田 寛
1
1群馬大学医学部附属病院血液内科
pp.2146-2149
発行日 2015年11月10日
Published Date 2015/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223805
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ポイント
●多発性骨髄腫(MM)における染色体・遺伝子異常の多くは,B細胞の分化過程において抗体多様性を生み出す免疫グロブリン遺伝子再構成機構によって引き起こされる.
●MMの染色体異常には,高2倍体,非高2倍体,免疫グロブリン遺伝子転座があり,多発性骨髄腫の予後に影響する.
●染色体異常のうち,t(4;14),t(14;16),del 17p,1q gainは予後不良因子であり,international staging system(ISS)と組み合わせた予後予測モデルが提唱されている.
●array comparative genomic hybridization(array CGH)やsingle nucleotide polymorphism(SNP)array,マイクロアレイ,次世代シークエンサーなどの高解像度技術により,染色体構造異常・遺伝子変異が発見され,intraclonal heterogeneityなど新たなコンセプトがもたらされている.
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