書評
—杉井章二・島田浩太 編著—病診連携 リウマチ膠原病診療—ポケットマニュアル
名郷 直樹
1
1武蔵国分寺公園クリニック
pp.1318
発行日 2015年7月10日
Published Date 2015/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223608
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このポケットマニュアルの特徴は,そのコンセプトにある.多くのマニュアルは,読者としてその領域の専門医を志す医者を対象としている.リウマチ膠原病診療のマニュアルであれば,その初学者やレジデントが主な対象であろう.しかし本書のターゲットはそうではない.リウマチ膠原病を専門としない医者である.少し不思議な感じがするかもしれないが,その非専門医を対象としている点が本書の最大の特徴だろう.書評が私に回ってきたというのもおそらくそのコンセプトがあってのことだろうと推測する.
このマニュアルの筆者が勤務する病院は,私のクリニックがいつもお世話になっている地域の中核病院である.そこから出されたマニュアルの「はじめに」に書かれてあることに衝撃を受ける.リウマチをもった患者が風邪をひいて近くのクリニックを受診したところ「うちでは診られない」と門前払いをされたというエピソードである.これは他人事ではない.私自身が今まさに向き合わないといけない問題である.
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