増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
微生物学的検査
細菌関連検査
クラミジア
福地 邦彦
1
1昭和大学病院臨床病理診断科
pp.542-543
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223377
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検査の概要
クラミジア科(Chlamydiaceae)は偏性細胞内寄生体であり,16S rRNAと23S rRNAの塩基配列に基づき,クラミジア(Chlamydia)属とクラミドフィラ(Chlamidophila)属に分類される.このうち,クラミジア・トラコマチス(C. trachomatis)とクラミドフィラ・ニューモニエ(C. pneumoniae)がヒトを自然宿主とし病原性を示す.また,トリが保有するクラミドフィラ・シッタシ(C. psittaci)は,ヒトにも感染してオウム病を引き起こす.
【C. trachomatis】現在,代表的な性行為感染症の原因微生物であり,尿路,生殖器感染症,また眼に感染すると結膜炎の原因となる.クラミジアは感染性粒子の基本小体(elementary body:EB),増殖能を有する網様体(reticular body:RB),およびその中間体(intermediate form:IF)の形態をとり,EBが上皮に感染し,RBとなり増殖後,IFを経てEBへと変換するという増殖サイクルをもつ.感染後,数週間で発症し男性では尿道から透明な膿が,女性ではおりものが増えるが,無症状のこともある.また,オーラルセックスにより咽頭炎を発症する.新生児では産道感染して肺炎や結膜炎を起こす.
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