Japanese
English
特集 呼吸器感染症―最新の話題
クラミジア
Chlamydia
岸本 寿男
1
,
小川 基彦
1
,
蔡 燕
1
Toshio Kishimoto
1
,
Motohiko Ogawa
1
,
Yan Cai
1
1国立感染症研究所ウイルス第一部
1Department of Virology I, Laboratory of Rickettsia & Chlamydia National Institute of Infectious Diseases
pp.149-154
発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100251
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はじめに
クラミジアによる呼吸器感染症は3種のクラミジアが関与し得る.市中の呼吸器感染症としては,トリや哺乳類からヒトに感染するオウム病クラミジア〔Chlamydophila(Chlamydia)psittaci: C.psittaci〕によるオウム病と,ヒト-ヒト感染をする肺炎クラミジア〔Chlamydophila(Chlamydia)pneumoniae: C.pneumoniae〕による呼吸器感染症とが主体である.他にはトラコーマ・クラミジア(Chlamydia trachomatis: C.trachomatis)による新生児・乳児肺炎がある.2003年に改正された感染症法では,人獣共通感染症でしかも症状の強いオウム病を従来どおり全数把握の4類に,また肺炎クラミジアならびにトラコーマ・クラミジアによる肺炎については,クラミジア肺炎(オウム病を除く)として一括で定点報告の5類に新たに分類された.
本稿ではこれらのクラミジアによる呼吸器感染症の病原体の病原因子・疫学・宿主応答・診断・治療について述べる.
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