特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集
免疫学的検査
感染関連検査〈微生物の抗原・抗体検査〉
クラミジアトラコマチス抗原・抗体
福地 邦彦
1
1昭和大学医学部臨床病理学
pp.408-410
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104809
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
クラミジア属(Chlamydiaceae)のうち,C. trachomatisとC. pneumoniaeはヒトを自然宿主とした病原体で,C. psittaciは動物の病原体であるがヒトにも感染してオウム病の原因となる.このうちC. trachomatisはわが国で最も頻度の高い性行為感染症であり,尿路・生殖器感染症の原因となり,また眼に感染すると結膜炎の原因となる.
クラミジアは偏性細胞内寄生体で,感染性粒子の基本小体(elementary body:EB),増殖能を有する網様体(reticular body:RB),およびその中間体(intermediate form:IF)の形態をとり,EBが上皮に感染し,RBとなり増殖後,IFを経てEBへと変換するという増殖サイクルをもつ.感染後,数週間で発症し,男性では尿道から透明な膿が,女性ではおりものが増えるが,無症状のこともある.放置すると,深部に上行し,感染が拡大し,多彩な疾患・病態を呈する.また,オーラルセックスにより経口感染し咽頭炎を発症する.新生児では産道感染して肺炎や結膜炎を起こす.クラミジア感染の診断には,抗原検査と抗体検査が行われる.
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