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増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
腫瘍マーカー
消化器系
PIVKA-Ⅱ
PIVKA-Ⅱ
佐藤 雅哉
1
,
池田 均
1
1東京大学大学院医学系研究科臨床病態検査医学
pp.470-471
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223350
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検査の概要
PIVKA-Ⅱ(protein induced by vitamin K absence factor Ⅱ:ビタミンK欠乏時産生蛋白)はdes-γ-carboxy prothrombin(DCP)とも呼ばれ,凝固活性のない異常プロトロンビンである.血液凝固因子のうち第Ⅱ,Ⅶ,Ⅸ,Ⅹ因子はいずれも活性化に際してCa2+を必要とし,N末端領域にγ-カルボキシグルタミン酸を有する.このカルボキシ化はビタミンK依存性に行われるため,ビタミンK欠乏下ではN末端領域がグルタミン酸のまま血中に放出されるが,この正常の凝固因子活性をもたない蛋白をPIVKAと呼ぶ.
PIVKAはそれぞれの凝固因子に対応して4種存在するが,このなかでⅡ因子に対応したPIVKA-Ⅱは,1984年にLiebmanらによって肝細胞癌を有する患者の血清中に高率に出現することが見出され,新規の肝細胞癌の腫瘍マーカーとして報告された1).わが国では1989年より保険適用となっており,AFPと並ぶ肝細胞癌の腫瘍マーカーとして普及している.
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