Laboratory Practice 〈生化学〉
PIVKA-Ⅱ測定のピットフォール
平松 久美子
1
,
田中 靖人
1,2
,
溝上 雅史
1,2
1名古屋市立大学病院中央臨床検査部
2名古屋市立大学大学院医学研究科臨床分子情報医学分野
pp.749-753
発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102155
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はじめに
肝細胞癌の腫瘍マーカーとしては,現在のところα-fetoprotein(AFP),AFP-L3,des-γ-carboxy-prothrombin or protein induced by vitamin K absence or antagonist Ⅱ(PIVKA-Ⅱ)の3つがある.このなかでもPIVKA-Ⅱは,AFP,AFP-L3と比較し,肝細胞癌診断の特異性が高く,スクリーニング目的でも使用されている1~5).ただし,PIVKA-Ⅱは,ワルファリン,N-methyltetrazolethiolを有するセフェム系の抗生物質などのビタミンKサイクルを阻害する薬剤の投与,胆汁うっ滞で偽高値を引き起こす6).
われわれは,これらの要因以外でPIVKA-Ⅱ偽高値となった症例を経験し,その原因を明らかにすべく基礎的検討を行ったので報告する.
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