今月の主題 凝固線溶系の新しい検査
技術解説
PIVKAの検査法
櫻川 信男
1
Nobuo SAKURAGAWA
1
1富山医科薬科大学附属病院検査部
pp.240-244
発行日 1986年3月15日
Published Date 1986/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912901
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PIVKA-IIはビタミンKが欠乏した場合に肝で産生される異常蛋白体とも言うべきもので,カルボキシル化が起こっていない状態のprotein induced by vitamin K absenceのうちのプロトロンビンを言う.これは,通常の組織トロンボプラスチン-Ca2+溶液ではトロンビンに活性化されない.したがって,この異常プロトロンビンを測定する方法が必要となる.
臨床的意義はビタミンK不足を招く,経口抗凝固療法施行中や乳児の特発性ビタミン欠乏症,胆汁酸欠乏,腸内細菌死滅,腸管の異質障害および原因不明の場合もある.これらの出血症状の原因を可及的早期にビタミンK不足と確定してその補充をすることが臨床上,重要となる.
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