増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
免疫学的検査
自己免疫関連検査
抗核抗体
窪田 哲朗
1
1東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科生体防御検査学
pp.398-399
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223323
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検査の概要
Hargravesが全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)の患者血液中にLE細胞を見出したのは,1948年のことであった.その後,この現象が検討されるにしたがって,SLEや,そのほかの患者血清中に,細胞の核と反応する種々の自己抗体が存在することが明らかになった.抗核抗体の検出は臨床検査としても普及してさまざまな方法が考案されたが,最近では単に抗核抗体検査と言えば,HEp-2(human epithelial-2)細胞を基材とした間接蛍光抗体法を意味する.
核にはDNA, RNAなどの核酸や,さまざまな核蛋白質が存在し,抗核抗体の種類によって染色パターンが異なる.基本的には辺縁型(peripheral),均質型(homogeneous),斑紋型(speckled),散在斑点型(discrete speckled:セントロメア型),核小体型(nucleolar)の5種類に分類される(図1).通常は血清を40倍に希釈して検査し,陽性の場合はさらに2n倍に希釈して,陽性を呈する最高倍率が染色パターンとともに報告される.
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