増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
免疫学的検査
自己免疫関連検査
抗RNP抗体
窪田 哲朗
1
1東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科生体防御検査学
pp.400-401
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223324
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検査の概要
1972年にSharpら1)によって,全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE),全身性強皮症(systemic scleroderma:SSc),多発性筋炎の症状を部分的に併せもち,extractable nuclear antigen(ENA)と反応する抗体が陽性を示す一群の症例に対して,混合性結合組織病(mixed connective tissue disease:MCTD)という新しい疾患概念が提唱された.抗ENA抗体には,抗原のRNase処理で反応性が失われるものと失われないものがあり,後に前者が抗RNP抗体,後者は抗Sm抗体であることが明らかにされた.
臨床検査では,血清中の抗RNP抗体(抗U1 RNP抗体,抗U1 snRNP抗体とも記載される)を,二重免疫拡散法(Ouchterlony法)による半定量法,または酵素免疫測定法による定量法で測定している.MCTDのほか,SLE,多発性筋炎/皮膚筋炎,SSc,Sjögren症候群,関節リウマチなどの膠原病で検出される.特にMCTDでは本抗体陽性が診断の必須項目となっているが,ほかの疾患においては,本抗体と特定の病態との相関などに関して定説がないので,測定する意義は確立していない2).
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