増刊号 臨床化学実践マニュアル
話題
1.実試料標準物質
グルコース標準血清
桑 克彦
1
,
梅本 雅夫
2
1筑波大学医療技術短期大学部
2(財)化学品検査協会
pp.127
発行日 1993年4月15日
Published Date 1993/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901510
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近年酵素電極法による血中グルコース測定が一般化した.しかし酵素電極は,固定化した酵素がグルコースオキシダーゼであるため,共存物質の影響が考えられること,多くの因子が電極の応答性に影響を与えることなど,正確さに問題があり,また電極の経時変化が考えられる.さらに,各種サーベイからみても,グルコース測定時におけるフィールド(日常一般)法の施設間差は大きいのが現状であり,酵素電極法による測定の正確さの基準となるグルコース標準血清が必要とされていた.
血清グルコース濃度はAmerican Association of Clinical Chemistry(アメリカ臨床化学会;AACC)の勧告法(レファレンス法)に準じたグルコース測定勧告法が,日本臨床化学会試薬専門委員会から出されている.本勧告法はヘキソキナーゼ(HK)/G-6-PD除蛋白法により測定する.HK/G-6-PD法はHKとG-6-PDの連続反応がグルコースに特異的で,正確にグルコースを定量することができる.
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