検査データを考える
AST(GOT)/ALT(GPT)高値例
深津 俊明
1
1名古屋掖済会病院中央検査部
pp.531-537
発行日 2001年6月1日
Published Date 2001/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905823
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
アミノトランスフェラーゼ(aminotransferase=transaminase,トランスアミナーゼ)は,アミノ酸とαケト酸との間でアミノ基の転移を触媒する酵素で,生体内ではTCA(tricarboxylicacid,トリカルボン酸)サイクルの代謝産物とアミノ酸との間でアミノ基の転移を調整している.病態の指標として臨床検査に利用されるのはアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(aspartate aminotransferase;AST)とアラニンアミノトランスフェラーゼ(alanine aminotransferase;ALT)である.かってはグルタメートオキザロアセテイトトランスアミナーゼ(glutamate oxaloacetate transaminase;GOT),グルタメートピルベートトランスアミナーゼ(glutamate pyruvatetransaminase;GPT)と呼ばれたが,国際酵素委員会はAST,ALTを推奨し日本でも浸透しつつある.
AST,ALTのように組織・細胞の傷害により血中に逸脱する酵素の血中レベルを左右する要因は,
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