特集 これだけは知っておきたい検査のポイント
VIII.血液化学検査
GOT,GPT
平山 千里
1
1九大第3内科
pp.622-623
発行日 1975年3月20日
Published Date 1975/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205938
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異常値を示す疾患
GOT(一般名:Aspartate Aminotransferase)は心筋や肝に高濃度に存在し,次いで筋肉,腎,膵などに認められる.GPT(一般名:Alanine Aminotransferase)は肝に最も多く,次いで腎,心筋,筋肉,膵,脾などに存在する、一般にGOT,GPTの肝,心筋などの濃度は,血清濃度の103〜4程度であるので,肝や筋肉の疾患では血清濃度が上昇する.GOT,GPTの上昇する疾患を表に示した.便宜上,高度,中等度,軽度上昇の3群にわけたが,およその目安であり,正確な分類は困難である.
GOTは心筋をふくむ各種め筋肉疾患で増加するが,臨床上重要なのは心筋硬塞である.すなわち,多数例の統計によると,心筋硬塞の96%以上にGOTの中等度の上昇を認めるが,狭心症や冠不全では23%しか上昇しない.心筋硬塞では,GOTは硬塞後2〜12時間で上昇し,24〜36時間で最高値,3〜7日後正常に復する.この場合,同時にGPTの上昇をみることもある.このGPTの上昇は,心筋起原のもののほか,肝障害を合併するためと考えられている.
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