増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
血液生化学検査など
窒素化合物,腎機能検査
BUN(血中尿素窒素)
広浜 大五郎
1
,
下澤 達雄
2
1東京大学医学部附属病院腎臓内分泌内科
2東京大学医学部附属病院検査部
pp.174-175
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223243
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検査の概要
血中尿素窒素(BUN)は,血液中に含まれる尿素量を表し,血清の除蛋白成分のなかの窒素成分の総称である非蛋白窒素(NPN)の約50%を占める.経口摂取した蛋白や組織蛋白の分解産物であるアンモニアは,そのままでは神経毒性を有するため,肝で尿素サイクルの代謝を受けて尿素に変換される.尿素のほとんどは腎糸球体で濾過されて尿中に排泄されるが,その一部は尿細管で再吸収され血中に戻される.すなわち,BUNは,①蛋白摂取,異化亢進,②肝臓での尿素合成,③腎での排泄機能の影響を受ける.日常診療では腎機能の指標として広く利用されているが,BUNのみで腎機能障害を評価してはならない.腎機能以外では,循環血漿量減少,蛋白異化亢進,蛋白摂取量増加などの場合にも病態の補助診断として用いられている.
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