Japanese
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論説
胃切除後の縫合不全における病態生理—特に血中尿素窒素(BUN)測定値とその診断的価値について
Pathophysiology in postgastrectomy anastomotic leakage:Especially a diagnostic value of blood urea nitrogen (BUN) determination
佐藤 薫隆
1
,
松林 冨士男
1
Nobutaka SATO
1
1佼成病院外科
pp.839-846
発行日 1973年6月20日
Published Date 1973/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205829
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はじめに
近年,胃切除後の縫合不全発生率は2%前後1-2)に低下しているが,その死亡率はいまだに約40%の高率を示している.したがつて死亡率の改善には,縫合不全に対する早期診断が望まれる.
縫合不全の診断については,従来から「発熱,腹痛,デファンス,白血球増多」,「X線造影剤の漏出」などの所見があげられているが,縫合不全は胃切除後の早い時期に発生することが多いので,前者の所見は合併症のない胃切除症例との鑑別に困難であることが多い.また「造影剤の漏出」所見についても,縫合不全はわれわれの経験(第1表)からもBillroth—Ⅱ法(B—Ⅱ法と略す)胃切除後に発生するので,発生部位が十二指腸断端部であれば漏出所見を得ることはできない.
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