Senior Course 生化学
血中尿素(BUN)のUV測定法
坂岸 良克
1
1東京医歯大・中検
pp.667
発行日 1972年6月15日
Published Date 1972/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907660
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臨床化学検査にUV法がそれほど多くない理由として助酵素NAD,あるいはNADP (酸化型と還元型のいずれも)が比較的高価であること,共役させる反応系の酵素が得がたかったことなどがあげられる.その傾向は紫外部用比色計の普及を遅らせる結果ともなり,各種物質のUV測定法がかなり軽視されていたきらいがあることは否めない.
もちろん,日常検査のほとんどの項目は一応の精度および正確度を保っており,ことさらにUV法を取り入れなくても臨床の要望にこたえられるようになってきた.しかし,分析化学の立場からすると,比色法はモル吸光係数の明確な物質を扱う場合にのみ化学的意味があり,検量線のみを頼りとする比色定量は相対的分析法としての価値しかないことも事実である.
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