増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
血液生化学検査など
炎症マーカー,感染マーカー
赤沈(赤血球沈降速度)
松尾 収二
1
1天理医療大学臨床検査学科
pp.162-163
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223238
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検査の概要
赤血球沈降速度は赤沈あるいは血沈と呼ばれ,古くより炎症性疾患のスクリーニング的診断やモニターに頻用されている.赤沈は抗凝固剤を加えた血液を専用の管に入れて垂直に立て,赤血球の沈降に伴って出現する血漿層の厚さを測定する検査である.測定条件によって値が変わるため一定の方法で測定する.国際血液学標準化委員会(ICSH)はEDTA血を用いる方法を推奨しているが,わが国ではICSHが過去推奨していたWestergren法が広く普及している.具体的には3.28%クエン酸ソーダ0.4mLと血液1.6mLを混合したものを内径2.5mmのWestergren管に吸引し垂直に立て,1時間後の血漿の層の厚さを読み取る.
最近は,専用の採血管をそのまま血沈管として用いることで血液汚染を防ぎ,30分値からWestergren法の1時間値を推定する装置など,短時間で多数の検体を測定する自動血沈測定装置が普及している.
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