増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
血液生化学検査など
炎症マーカー,感染マーカー
プロカルシトニン,プレセプシン
遠藤 重厚
1
1岩手医科大学医学部救急医学
pp.164-166
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223239
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検査の概要
WHOの報告によると世界中の死亡原因の約25%が敗血症である.敗血症に併発する臓器不全は救急・集中医療領域において治療が長引く要因の一つで,保健医療の大きな負担となっている.したがって,生化学的/免疫学的マーカーをモニタリングし,早期診断をし,適切な治療を迅速に行うことが必要である.感染症(敗血症)診断には,以下に示すことが望まれる.①感度および特異度が高い,②感染と非感染を区別できる,③予知能がある,④重症度を反映する,⑤生物学的に筋が通っている,⑥操作が簡便である.
◆プロカルシトニン(procalcitonin:PCT)
PCTの生理学的役割と産生部位はいまだ完全には理解されていないのが現状である.敗血症時には,PCTはほとんどすべての甲状腺外組織で産生されることが証明されている.PCTは重症細菌感染の診断に役立つだけでなく,その重症度指標ともなる非常に興味深いマーカーである(図1)1).血清を用いたイムノクロマトグラフィ法による半定量法と化学発光酵素免疫測定法による定量法がある.
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