検査法の基礎理論 なぜこうなるの?
赤血球沈降速度(赤沈)
福武 勝博
1
,
鈴木 美登利
2
1東京医科大学臨床病理学
2東京医科大学臨床病理学教室
pp.578-583
発行日 1982年7月1日
Published Date 1982/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202533
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"赤沈"あるいは"血沈"と呼ばれている赤血球沈降速度(erythrocyte sedimentation rate;ESR)の測定は,日常臨床上に必要なかつ簡易な検査法として広く利用されている.この原理は,抗凝固剤を加えた血液を柱状の試験管に入れ,垂直に立てておくと,赤血球が重力に従って血漿中を沈降していく現象を時間当たりの速度として測定するものであるが,この沈降現象では赤血球の連銭形成(rouleau formation)が重要な役割を果たしている.また赤沈現象は経時的に次の3期から成り立っている.
(1)第1期(集合期 initial period of aggregation):赤血球の連銭形成は進行中で,沈降は単に赤血球の重力に従って進み,速度は緩徐な時期である.
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