増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
血液生化学検査など
炎症マーカー,感染マーカー
CRP(C反応性蛋白)
松尾 収二
1
1天理医療大学臨床検査学科
pp.159-161
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223237
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検査の概要
感染症や組織障害を炎症と総称するが,この炎症の主なマーカーとして,白血球とその分類,赤沈,血清蛋白分画およびC反応性蛋白(CRP)がある.CRPは,Caイオンの存在下で肺炎球菌のC多糖体と免疫沈降する物質であり,血清アミロイド蛋白(SAA),α1-アンチトリプシン,ハプトグロビン,フィブリノーゲンなどとともにacute phase protein(急性期蛋白)と称される.
炎症では,単球・マクロファージが活性化され,白血球などの細胞浸潤,血管透過性の亢進がみられるが,それらの発現を促すのが単球・マクロファージから産生されるTNF-α(tumor necrosis factor-α),IL-1(interleukin 1),IL-6などのサイトカインであり,これらが肝細胞でのCRP産生を促す.特にIL-6の作用が大きい.
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