特集 循環器薬up to date 2015
慢性期治療─しばしば遭遇する疾患
左室収縮能の維持された心不全(HFpEF)
加藤 真帆人
1
1日本大学医学部内科学系循環器内科学分野
pp.75-80
発行日 2015年1月10日
Published Date 2015/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223026
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拡張期心不全が“左室収縮能の維持された慢性心不全”(heart failure with preserved ejection fraction:HFpEF)と称されるようになって久しい.驚くべきことに,その予後に関しては左室収縮不全を伴う心不全患者とほぼ同等であり1),「左室収縮不全=心不全」という考え方に楔を打ち込んだ.しかもいまだ効果的な薬物治療は不明であり,それどころかこれまで絶大な威力を誇ってきたrenin-angiotensin aldosterone system(RAAS)阻害薬やβ遮断薬がほとんど効果をもたないことも判明しつつある.本稿では,HFpEFに対する薬物治療の現状について概説する.
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