増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集
付)検査をめぐる基本知識
187.Clinical Decision AnalysisとDecision Tree
福井 次矢
1
1佐賀医科大学・総合診療部
pp.2104-2106
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222876
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臨床行為の大きな特徴のひとつは,さまざまな不確定要素が存在するなかで決断が下されなければならないことである.臨床上の不確定要素としては,大まかにいって,①データそのものが誤っている可能性のあること,②身体所見の評価.解釈の不一致,③臨床データと疾病存在が1対1の関係でない(つまり,検査特性—感度や特異度—が100%完全でない)ことが多いこと,④多くの治療法は100%確実に効くとは限らないこと,などが挙げられよう.
このような不確実性が存在する状況下で,確率論的手法を用いて,最も望ましい結果の期待される臨床決断を行おうとするアプローチがclinicaldecision analysisであり,decision treeは,そのようなdecision analysisを行う場合に不可欠となる図示法をいう.
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