増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集
付)検査をめぐる基本知識
186.臨床検査の選び方と使用法の原則
久道 茂
1
1東北大学医学部・公衆衛生学
pp.2100-2102
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222875
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医療には検査はつきものである.検査をせずに,問診による病歴聴取や簡単な診察(理学的所見)で診断が確定でき,治療方針が立てられるならば,こんな簡単なことはない.しかし,多くの場合,患者が診療所を訪ねてくれば何らかの検査をすることになる.本来,患者が何らかの訴えを持って受診したとしても,①検査をせずに治療も必要としない場合(放置,経過観察)もあるし,②まず検査をし,その結果をみて治療を行うか,③検査をしないですぐ治療を始めるか,のいずれかの選択を医師は決断しなければならない.したがって,数ある種類の中からなぜその検査を選んだのか?その検査の精度はどうか?安全性は?患者に与える苦痛は,費用はどうか?結果がわかるまでの時間は?などなど,多くの医師は,自分の経験や知識,あるいは自分の所属する施設の能力などを考慮して判断している.本稿は,検査の目的とその特性を示す種々の指標について解説し,用語の正しい使い方と実際の例で判断できるようにすることが目的である.
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