増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集
血液化学検査
104.アポリポ蛋白
武内 望
1
1愛媛大学医学部・臨床検査医学
pp.1878-1879
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222793
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脂質は疎水性であるため,血漿中では遊離脂肪酸を除き特異的なアポリポ蛋白と複合体を形成し,リポ蛋白として存在している.したがって,脂質代謝異常の病因や病態を理解するためには,その蛋白部分であるアポリポ蛋白に関する情報を必要とする場合が多い.とくに虚血性心疾患の発症や進行に関しては,血漿脂質(コレステロールや中性脂肪)よりもアポ蛋白(アポAやB)との相関が強いという疫学調査結果もあり,アポ蛋白からの解析を行わなくてはならない.それは組織への脂質の沈着は,アポ蛋白の脂質転送能と密接に関係するからである.現在サブクラスを含めて20種類あまりのアポ蛋白が知られているが,そのうち主要なアポ蛋白の種類ならびに正常値,機能などを表1に示した.
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