今月の主題 内科エマージェンシー
疾患からみた内科エマージェンシー
消化器疾患
急性膵炎
杉山 恵一
1
,
中野 哲
2
1大垣市民病院・消化器科
2大垣市民病院
pp.1236-1237
発行日 1989年7月10日
Published Date 1989/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222584
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急性膵炎は,さまざまな原因,機序により膵酵素が活性化され,それにより膵自体が消化される,いわゆる膵の自己消化に起因する疾患である.本症の大多数は通常良好に経過するが,重症膵炎では凝固・線溶系,免疫系などの機能不全を伴い,病変は膵やその周辺臓器にとどまらず,心,肺,腎,肝,脳などにおよんで,いわゆるMOF(多臓器不全)をきたし,予後はきわめて不良である1).したがって,本症ではできるだけ早期に正しい診断と成因の究明を行うと同時に重症度判定を行い,重症化の傾向があればただちに時期を失することなく積極的に治療を開始することが肝要である.
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