今月の主題 内科エマージェンシー
症状からみた内科エマージェンシー
喀血
宮城 征四郎
1
1沖縄県立中部病院
pp.1142-1143
発行日 1989年7月10日
Published Date 1989/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222550
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およそ呼吸器症状の中で,血液を激しい咳とともに喀出することほど患者にとって衝撃的なイベントは他に類例がない.また,喀血が大量だと致死的窒息を起こすので,実地医家にとってもきわめて危険な症候であり,その処置法を熟知しておくことは,とくに初期診療に携わる医家に必須の課題と思われる.
その程度は,48時間以内に600ml以上を喀出する,いわゆる大量(massive),100ml以上の多量(major),およびそれ以下の少量(small)から,疾に線状,点状に血液を混ずる血疾(blood-streaking,blood-tinged)に至るまでさまざまであるが,喀血の臨床的とらえ方は緊急処置を要する大量喀血と少量の場合とではまったく趣きを異にし,ここでは内科エマージェンシーとしての大量喀血の臨床的アプローチのみを記述する.
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