今月の主題 輸血の実際と血液製剤
輸血のトピックス
腎移植と輸血
山本 実
1
1弘前大学医学部・第1外科
pp.630-632
発行日 1989年4月10日
Published Date 1989/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222406
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1945年にOwenが自然界に発見した寛容の現象がBurnetの免疫理論に展開し,そこで予言されたことが1953年Medawarによって現実に人為的に実証された.Medawarはこの発見をもとにさらに研究を進め,ついに免疫学的寛容という現象を実験的につくりだすことに成功し,臓器移植の問題が再びよみがえった.
同種移植免疫抑制は,今日われわれが直面している最も重要な研究課題の1つである.免疫抑制の方法は抗原抽出物投与による寛容性の獲得,放射線照射を経て薬剤による同種移植免疫抑制が主流となり,臨床腎移植の成績が向上してきた.
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