今月の主題 臨床家のための輸血学
免疫からみた輸血
HLA抗原抗体と腎移植—とくに輸血の影響について
柏木 登
1
1北里大臓器移植
pp.358-360
発行日 1979年3月10日
Published Date 1979/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402215799
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
臓器移植の拒絶反応は,移植された臓器の細胞表面上にあるHLA抗原群に対する宿主のリンパ球と抗体とによる免疫反応である.このことは腎移植にとっても例外ではない.拒絶反応の原因であるHLA抗原系についても,また反応の担い手であるリンパ球と抗体の作用機序についても筆者は他の機会に比較的詳しく論じておいたので1,2),腎移植拒絶反応におけるHLA抗原・抗体の直接の役割についてはそれらを参照いただくこととして,ここでは輸血という観点から,腎移植前に腎不全患者が受けた輸血が,拒絶反応にどのような影響を与えるかという問題について述べたいと思う.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.