今月の主題 新しい不整脈診療
不整脈をめぐるcontroversies
クラスI薬の分類
児玉 逸雄
1
1名古屋大学環境医学研究所
pp.104-107
発行日 1989年1月10日
Published Date 1989/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222286
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Vaughan Williamsらの分類によるクラス1の抗不整脈薬(局所麻酔作用を有するNaチャネル抑制薬)は,従来は主として心筋の活動電位持続時間(APD)に対する作用の差から,Ia:APDを延長させる薬物,Ib:APDを短縮させる薬物,Ic:APDに影響を及ぼさない薬物,の3群に分けられてきた.これに対して,最近ではクラス1薬をNaチャネル受容体に対する親和性や結合解離動態の面から細分類し直す試みがなされている1).後者の細分類はHondeghem,Katzung2)らが提唱したmodulatedreceptor仮説に基づく考え方であり,抗不整脈薬の興奮頻度依存性効果と密接な関連を有する.本稿ではこのmodulated receptor仮説の概要を説明するとともに,新しい細分類の臨床的意義について触れてみたい.
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