増刊号 診断基準とその使い方
X.神経・筋
24.Meige症候群
廣瀬 和彦
1
1東京都立神経病院・神経内科
pp.2252-2253
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222082
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■疾患概念と疫学
Meige症候群は最初の報告者Henry Meigeにちなんだ冠名である.眼瞼痙攣blepharospasm(以下BS)の他に,口・顎部などの異常運動oromandibular dystonia(以下OMD)を伴い,BS-OMD症候群とも呼ばれる.さらに痙性発声障害spasmodic dysphonia(以下SD),痙性斜頸spasmodic torticollis(以下ST)を伴う症例の存在することから,頭・頸部ジストニーcranial-cervical dystoniaとも呼称されている.BS,OMD,SD,STはいずれも限局性ジストニーfocal dystoniaで,成人発症の特発性ジストニーの一種とみなす見解が注目されている.
Meige症候群を構成する症候に関しては次のような見解がある.一つは,本症候群を本態性眼瞼痙攣essential blepharospasmと同義とみなし,BSが一次的で,その拡大あるいは随伴症状として,他の顔面筋や顎・頸部の筋に異常運動をみるとする見解である.他は,BSとOMDを本症候群の一部分症とみなし,BSとOMDの両者を示す症例を完全型,一方のみを示す例は不全型とみなす見解である.さらにOMDの性状について,ジストニーとジスキネジーを区別しジスキネジーを除外する立場と,区別しない立場とがある.
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