増刊号 診断基準とその使い方
X.神経・筋
25.Parkinson病
水野 美邦
1
1自治医科大学・神経内科
pp.2254-2255
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222083
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■疾患概念と疫学
Parkinson病とは振戦,固縮,無動,姿勢保持障害を主症状とする変性疾患のひとつで,責任病巣は黒質緻密層ドーパミン性神経細胞である.本神経細胞は線条体に投射しているので線条体および黒質のドーパミンが著明に低下する.
Parkinson病は白人に多く有病率は人口10万につき約150名,本邦ではその3分の1で約50名である.初発年齢は50代,60代が最も多いが,40歳以前の発症もあり,若年性parkinsonismと呼ばれる.中高年発症のParkinson病は大部分孤発例で遺伝性は通常見られないが,若年性では家族内発症の頻度が高い.遺伝形式は一見常染色体性優性遺伝の場合と劣性遺伝の場合がある.進行は遅くL-Dopaの導入以来,平均余命は一般人口と変わりなくなっている.
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