増刊号 診断基準とその使い方
VII.血液
20.骨髄腫とその他のPlasma Cell Dyscrasia
加納 正
1
1京都大学医学部・第1内科
pp.2054-2057
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221999
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
血清,尿中にM成分を,骨髄・リンパ組織にBリンパ球・形質細胞の単クローン性増生を認める状態を一括してplasma cell dyscrasia(PCD)と称する.PCDの代表は多発性骨髄腫であるが,PCDのすべてが腫瘍性というわけではない.一過性にM成分が消失する場合がある(表1).血清中にM成分を証明する頻度は60歳台で1〜2%,80歳台で5〜6%で,年齢とともに増加する.このうち一部が多発性骨髄腫で,その頻度は,欧米人で10万人あたり年間発生率2〜3人,本邦人では1人以下であるが,増加傾向にあるとみられる.一般に39歳以下では稀であるが,小児例の稀有な報告が知られている.男女差はない.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.