増刊号 診断基準とその使い方
VII.血液
11.顆粒球減少・増加症,類白血病反応
外山 圭助
1
,
川口 正人
1東京医科大学・第1内科
pp.2028-2029
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221990
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■顆粒球減少症
1)診断基準 現在のところ顆粒球減少症の診断基準はとくにない.顆粒球減少で臨床的に問題となるのは好中球減少であり,案としては表1のようになる.
2)疾患概念 顆粒球の回転は,骨髄→末梢血(循環プール←→壁在プール)→組織,という一方向の流れを保持しており,逆行することはない.また,血算で求められる顆粒球数は,末梢血循環プール内の量を反映している.よって,顆粒球減少は,この回転動態より考えると,①骨髄での産生の減少,②骨髄より末梢血への動員の障害,③骨髄または末梢血での破壊の亢進,④末梢血循環プールより壁在プールへの移行の亢進,⑤末梢血より組織への移行を含めた顆粒球消費の亢進,のいずれか,あるいはその組み合わせとして捉えられる.具体的な原因としては表2のような項目があげられる.
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