特集 外科患者・薬物療法マニュアル
Ⅴ.併存疾患をもつ外科患者の薬物療法
27.顆粒球減少症・血小板減少症
榎原 英夫
1
1獨協医科大学第3内科
pp.214-215
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901000
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顆粒球減少症
末梢血好中球1,000/μl以下で感染に対する抵抗力が低下し,500/μl以下で易感染性はきわめて高く重症化しやすい.免疫グロブリン,リンパ球,好中球機能にも異常を有する場合,易感染性はさらに高くなる.治療または経過観察により回復可能な好中球減少症は,可能な限り手術を延期するが,緊急性を有する場合は感染予防に努めながら手術を行う.敗血症,肺炎など重症感染症を有する場合,原則的に手術は禁忌であり,感染症の加療を強力に行う.高度の好中球減少が続く場合は抗生物質などの予防投与を行い,原因不明の38℃以上の発熱時は敗血症に準じ起因菌の同定を待たず加療する.(感染症治療の詳細は該当の章を参照.)
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