増刊号 診断基準とその使い方
V.内分泌
1.Cushing病
田中 孝司
1
,
伊藤 祐子
1
,
清水 直容
1
1帝京大学医学部・第3内科
pp.1874-1875
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221926
- 有料閲覧
- 文献概要
■疾患概念と疫学
コルチゾールの慢性的過剰分泌によって生じる症候群を総称してCushing症候群と呼ぶが,病因によって次の5つに大別される.
1)下垂体性ACTH過剰分泌(Cushing病)
2)異所性ACTH産生腫瘍
3)異所性CRF産生腫瘍
4)副腎皮質腫瘍(腺腫または癌)
5)原発性副腎過形成(結節性過形成)
このうち下垂体性ACTH過剰分泌によるコルチゾールの過剰分泌によるものをとくにCushing病と呼び,Cushing症候群の中で最も多く全体の約3分の2を占める.Cushing病では副腎皮質はACTHの過剰分泌のため両側ともに過形成となる.したがって,一般に副腎皮質過形成というときはCushing病を指す.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.