増刊号 診断基準とその使い方
III.消化管
12.輸入脚症候群
小山 眞
1
1新潟県立吉田病院・外科
pp.1810
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221903
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■診断基準(狭義の輸入脚症候群)
疾患概念が明確でないため,ここでは狭義の本症候群の診断法を述べる.
1)Billroth II型胃切除を受けている.
2)特有の症状―食後の右上腹部痛と胆汁性噴射性嘔吐―を呈する.(胆汁性嘔吐により輸入脚逆流と鑑別)
3)特徴的検査所見が得られる.
(a)脂肪便を認めることが多い.
(b)腹部のエコー,CT,単純X線で右上腹部にU字型の嚢状腫瘤を認める.
(c)胃透視で,残胃の拡張はない.造影剤の輸出脚への流出は良好で,輸入脚への流入は認めない.(輸入脚逆流や輸出脚閉塞との鑑別)
(d)99mTc-HIDAによる肝胆道シンチグラフィーで輸入脚内でのRI活性の停滞と,輸入脚への流出の遅延を認める.
(e)セクレチンやCCK-PZにより症状の誘発を認める.
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